プロが教える『すのこベッドの選び方』

すのこベッド購入前に確認すべき3つのポイント


人は眠っている間、ペットボトル1本分(500ml)の汗をかいていると言われます。

寝苦しい熱帯夜

就寝中にかいた汗のうち、放湿しきれなかった汗は布団や床に留まりつづけ、カビやダニにとってはあたたかくて湿った絶好の棲みかに。

長い間放置すると、健康にとっても悪影響を及ぼします。

こまめに布団を干したり、布団の上げ下げができれば問題ありませんが、毎日忙しくてなかなか・・・という方も多いはず。



そこで最近の健康志向もあって人気なのがすのこベッド

就寝中にかいた汗を、すのこ下に逃がす仕組みになっているので、通常のベッドよりも湿気に強く、健康的なベッドです。


当店はすのこベッド専門店として多くのすのこベッドを販売してきた経験から、

「すのこベッドを通販で購入するのは初めてで何を選んで良いかわからない」

という方にも役立つように、すのこベッドを選ぶときのポイントを3つに絞ってご紹介します。


すのこベッドは木の材質が命

すのこベッドを選ぶときに「デザイン」や「価格」を考える人はたくさんいますが、「木の種類」まで考えて選ぶ人は中々いません。

しかし、木の性質や特徴を考えてすのこ材を選ぶことで、ワンランク上の満足が得られることをお約束します。


すのこベッドの材質は様々ですが、大きく分けて4種類があります。

湿気に強い木材を使用していることはもちろんですが、木の種類によってそれぞれの特徴がありますので、ご希望の条件に合わせてお選びください。


当店でも販売させていただいている、代表的な木材は、「桐(きり)」「檜(ひのき)」「杉(すぎ)」「パイン材」の4種類です。

「桐すのこベッド」おすすめ度:★★★★★

桐すのこ

桐は、日本の気候風土にあった木材で、昔から様々な家具に使用されてきました。

岩手県の南部桐、福島県の会津桐などが有名ですが、もともとの原産地は中国と言われています。

最近では国産の桐材は超高級品で、桐製の家具のほとんどが輸入された桐を使用しています。

桐の特徴は3つあります。

1つ目が「とても軽い」ことです。

日本で取れる木材としては一番軽い木が桐です。

とても軽いため、桐ベッドは移動がしやすく、力のない女性でも組み立てが簡単にできるというメリットがあります。



2つ目の特徴が「熱伝導率が低い」こと。

熱伝導率が低いというのは、要するに熱が伝わりづらいということです。

金庫の内部が桐で出来ているのは熱伝導率が低いため。発火する温度はなんと400度を超えると言われています。

火事になった時に、金庫の外側の金属が高熱で真っ赤になっていても、中の桐は外側が黒こげになっただけで、中の書類や紙幣は無事だった、という話がいたる所に残っています。

熱が伝わりづらいということは、冬は冷たくならず、夏は熱くならないということなので、ベッド材としては断熱効果に優れ、非常に適している木材です。

そして3つ目の最大の特徴が「湿気に強い」こと。

湿度が高くなると膨張して湿気の侵入を防ぎ、乾燥すると収縮して通気性を良くします。

吸湿性が高いため、衣類の保管には最適とされる木材で、桐タンスは有名ですね。


桐は自然の調湿機能をもった、健康的なベッド材です。

桐を使ったすのこベッド一覧

「ヒノキすのこベッド」おすすめ度:★★★★★

檜(ひのき)は、高級木材の代表格。

杉と同様に柔らかく加工がしやすい特徴がありますが、強度が高く、防腐性や虫に強い性質があるため、昔から家の建築材として採用されてきました。

檜すのこ

檜風呂に代表されるように、檜は水に強く、「ヒノキチオール」という、リラックス効果のある独特の香りはとても癒されます。

光沢のある白い木肌も人気の理由です。


もちろん湿度に強いため、すのこベッドの材質にはぴったり。
ベッドの材質にこだわりたい方におすすめのベッド材です。

ヒノキを使ったすのこベッド一覧

「杉すのこベッド」おすすめ度:★★★☆☆

杉は軽くて柔らかく、加工がしやすいのが特徴。
日本で一番多く植林されている、日本を代表する木のため、安価に手に入れることができます。


木目がまっすぐで、空気をたくさん含むため断熱性に優れた杉は、住宅用建築材として広く用いられてきました。


また、細胞と細胞の間にたくさんの水分を含むことができるため、湿気を調整する機能に優れています。

杉は成長が早く、手に入れやすいことから、価格を抑えたい方にはおすすめのベッド材です。

杉を使ったすのこベッド一覧

「パイン材すのこベッド」おすすめ度:★★★★☆

パイン材は日本でいうと松にあたります。

その特徴は「柔らかいこと」
この柔らかさが心地よい肌触りとぬくもりを感じさせてくれます。


もう一つの特徴は「木の香り」です。

その正体は「フィトンチッド」と呼ばれるリラックス効果のある針葉樹特有の香り。

パイン材すのこベッドは癒しのベッドと言えます。

パイン材を使ったすのこベッド一覧

すのこベッドにカビが生えてきた!?

実は当店でご購入いただくお客様のすのこベッド買い替え理由で多いのが、現在使っているすのこベッドにカビが生えてしまった、という理由です。

カビや雑菌が繁殖

すのこベッドは湿気を逃がしやすく、通気性の良いベッドですが、
「すのこベッドにしたからカビは生えない」
と考えるのは残念ながら間違いです。


「すのこベッドだから」と安心して、布団を敷いたままにしたり、布団を干す回数を減らしたりすると、逆にカビにとってはうれしい環境になってしまいます。

スノコ板のすき間は直接布団やマットレスに触れていませんが、それ以外のスノコ部分は通常のベッドと同じ状態です。


すのこベッドは通常のベッドよりも湿気に強いのは間違いありません。

ただ、あくまでスノコ板のすき間部分から湿気が逃げやすいため通気性が良いのがすのこベッドです。

こまめな布団の上げ下げができない方は、すのこベッド以外の除湿対策を

すのこベッドを購入したからと安心せず、布団カバーをこまめに洗濯したり、布団を敷きっぱなしにしたりせず、湿気対策には十分気をつけましょう。

特に新築や引越したばかりの部屋は湿気がたまっているものです。

結露が出る窓の近くや湿気のたまりやすいお部屋のコーナーにベッドを置く際は特にお気をつけください。




どうしても布団の上げ下げやこまめに布団を干すのが難しい環境の方は、除湿シートを布団の下に敷くことをおすすめいたします。

当店では、お客様の声から生まれた「除湿シート一体型敷き布団」をオリジナル開発し販売しております。

こまめに布団を干すのが難しい方や、より強力な湿気対策をお考えの方は是非ご検討ください。

除湿シート付き敷き布団トルマット

「すのこベッドは寝心地がかたい」ってホント?

昔から日本人は畳に敷き布団を敷いて寝てきました。

今でこそベッドフレームにポケットコイルマットレスで寝る西洋式ベッドが主流になっていますが、日本の狭い住宅事情や、やっぱり落ち着く、という理由から、敷き布団もなかなか根強い人気があります。

「住宅スペースが狭く、敷き布団が落ち着く」日本人の生活に、すのこベッドはぴったりの選択肢です。

敷き布団によっては寝心地が硬く感じられることも

敷き布団を敷いてすのこベッドを使用した場合、人によっては寝心地が少し硬いと感じられる方がいらっしゃいます。

フローリングに直接敷き布団を敷いて寝ると硬くて寝心地が悪いように、すのこベッドに直接敷き布団を敷いて寝ると、背中に木が当たり、硬く感じられることがあります。


フローリングにお布団を敷いて寝る場合、敷き布団の下に三つ折りマットレス等を敷いて寝ている方が多いです。

敷き布団があるのに、なぜわざわざ下にもう1枚かさばるマットレスを敷かないといけないのでしょうか?


それは、本来、敷き布団は畳に敷いて利用するものだからです。

通常の敷き布団は畳で使うことを前提に作られていますので、フローリングに敷き布団だけでは、背中に床の硬さが感じられてしまうのです。

すのこベッドに合う敷き布団の選び方

いまお使いの敷き布団が購入予定のすのこベッドでそのまま使えるか確かめたい方は、フローリングの上に敷き布団だけを敷いて寝て見てください。

それで背中に硬さを感じることがなければ、すのこベッドの上に敷いて寝ても問題ないでしょう。

市販されている高反発マットレスや、厚みのある敷き布団なら、フローリングで使うことも考えて作られていますので、わざわざ下にマットレスを敷かなくても、敷き布団1枚で十分です。


堅めの寝心地が好きな方や、しっかりとした敷き布団をお持ちの場合は、すのこベッドに敷き布団だけで問題ありませんが、そうではない場合は、敷布団の下に反発力のあるマットレスを敷くことで、床付き感を軽減し、快適な寝心地を手に入れることができます。

敷き布団の下に敷くマットレスを選ぶポイントは「畳に近い感触のマット」を選ぶことです。

畳は指で押しても、クッションのようにふんわりと沈んだりはしません。柔らかすぎず、適度な反発力があると思います。

畳の適度な反発力が身体をしっかりと支えるので、腰にも負担が少なく、畳に敷き布団は気持ち良いのです。

すのこベッドの上に敷く敷き布団も、反発力のあるしっかりとした敷き布団を使うのが、硬くない快適な寝心地を得るためのポイントです。

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